新しい元号も「令和」に決まり、新天皇の即位の日が近づいている。政治・経済・文化を担う組織を分立させるという社会三分節の考え方から「日本国の象徴」、「国民統合の象徴」とは何であるか考える。なお、現在マーティン・ラージ著『三分節共栄社会—自由・平等・互恵・持続可能性を実現する—』のPOD出版の準備中なので、乞う ご期待!
アイデンティティー・ポリティクス · 2月 25日, 2019年
アイデンティティ・ポリティクスは社会的に抑圧されている集団を代弁し、その差別を是正するために生まれたが、そこでは自分の生来のアイデンティティが何であるかによって、何を発言してよいか、何を行ってよいかが決まっているように見える。さらに昨今、個人の内面の主観的な感情を事実よりも優先する傾向が顕著になっている。これは近代社会の大原則に背くものだと主張する、イギリスの政治家・著述家、ダニエル・ハナンの考えを紹介し、そのあとで、ちょっと背伸びして、日韓問題に簡単に触れたいと思う。
今上天皇の退位が決まった。日本国憲法の下では天皇が政治に関与しないように、また国民の信教の自由を保障するために世俗化された象徴天皇制になった。時代の節目が近づく中、これからの天皇制を模索する上で、社会三分節化論を使って「政治国家とは何か」「文化とは何か」を問いながら考える。