マーテイン・ラージ著、林寧志訳 © 2019 Yasushi Hayashi
『三分節共栄社会―自由・平等・互恵・持続可能性を実現する―』10の2
まとめ:みんなで共有する宝
土地を商品として扱うことでイギリスの住宅市場は崩壊に至りました。アダム・スミスやジョン・スチュワート・ミルなどの古典的経済学者は土地を共有財であると考えていましたが、これは新自由主義派が土地を商品である、金儲けのための資産であると考えるのと全く対照的です。地価税は不公正を減らし、私たちの土地をコモンズとして最大限に利用する一方法です。もう一つの方法はウィンストン・チャーチルの「民衆の土地」という考え方です。CLTコミュニティ土地信託は土地や容易に購入できる住宅を確保する一つの方法です。CLTはレッチワース田園都市の設立者であるエベネーザー・ハワードなどのパイオニアたちによって用いられ、現在はコモンズを回復して安価な住宅を確保するための土地信託運動として再発見されています。
CLTコミュニティ土地信託に関する詳しい情報はwww.communitylandtrust.org.uk 参照。
それでは次に変革のための第四のアプローチとして「ひと」を考えてみましょう。どのようにすれば教育に自由を吹き込み、人それぞれが自分自身の可能性をフルに発展させコミュニティに貢献できるようになるでしょうか。